日本では四季があり、湿気や乾燥から季節によって頭皮の悩みも様々。今まで使っていたヘアケア用品が急に合わなくなる経験をした方も多いのではないでしょうか。
そんな時、シャンプーやコンディショナーを変えたいけれど、どう選べばいいか分からない。オーガニックって良いとは聞くけれど本当はどうなの?と疑問に思うかもしれません。
この記事では、ヘアケアマニアの現役ヘアメイクアップアーティストである筆者が、オーガニックヘアケア商品の疑問から見極めポイントまでお伝えしていきます。
目次
1.オーガニックとは
オーガニックとは『有機栽培』という意味があり、化学肥料や化学的な農薬を使わずに有機肥料で栽培された植物のことを言います。
オーガニック認定を受けるには、3年以上、化学肥料や農薬を使用せず栽培された事が条件になります。食品では、農林水産省が有機栽培されたものに対し、有機JASマークをつけている為、消費者が選ぶ基準になります。
オーガニックヘアケア用品について
有機栽培された植物をメインに作られたヘアケア用品が、オーガニックシャンプーやオーガニックコンディショナーと言われます。
一般的に頭皮の負担が少ないく、肌の弱い方にもオススメできる製品が多いので
安心して使うことができます。
しかし、日本では化粧品やヘアケア商品に対して、食品でいう有機JASマークのような明確な基準がありません。1%でも有機栽培された植物が入っていると『オーガニック』と呼べてしまうのが現状です。
一方、諸外国では明確な基準が定められており、95%オーガニック原料から出来ているものに対し、アメリカではUSDAマークがつけられ、イタリアではCOSMOS ORGANICの認証があります。
これらは、オーガニックの基準としては安心して使用できますが、日本と海外の方の髪質や、髪を洗う水質は違うため、一概に日本人の髪の毛にあっているとは言い難いのです。
オーガニックヘアケア用品は、オーガニックの配合量や組み合わせ、使用する人の肌環境によって効力を発揮できるので、成分を理解して購入することをオススメします。
頭皮トラブルってなぜ起きるの?
頭皮は、一つの毛穴から髪の毛が2〜3本生えていて、顔や体に比べて毛穴が大きい為、良いものも悪いものも他の皮膚に比べ吸収しやすくなります。
その為、頭皮の毛穴から体内へ化学物質が入り蓄積されるとも言われています。
そもそも、シャンプーやコンディショナーには、石油系の合成界面活性剤や、髪の毛の滑りをよくするシリコン、品質を保つための防腐剤などが含まれていて、それらは頭皮トラブルを引き起こしやすい原因と言われています。『毎日、頭を洗っているのにフケや痒みが治らない』という方は、刺激の強いヘアケア用品を使っているかもしれませんので、確認してみましょう。低刺激のオーガニックヘアケア用品に切り替えることで、頭皮トラブルが治まるかもしれません。
2.オーガニックヘアケア用品の使用メリット
オーガニックヘアケア用品は、頭皮や髪へのダメージが少なく、自然の植物が持つ力で、殺菌・保湿が出来、フケやかゆみ、匂い対策ができます。
また、環境汚染の原因になる生活排水を減らせるのもメリットです。
頭皮や髪の毛を健やかに保つため、自分にあったオーガニックヘアケア用品の選び方のコツを知り、是非試してみてください。
オーガニックヘアケア用品の避けるべき成分
シャンプーの成分は90%が水と界面活性剤でできています。界面活性剤は洗浄力が強いものだと、頭皮に必要な皮脂まで取り除き、地肌バリア機能を低下させ頭皮トラブルの原因になりかねません。下記の成分については刺激が強いため避けると良いでしょう。
⑴石油系合成界面活性剤
・ラウレス硫酸Na
・ラウリル硫酸Na
この2つが配合されているシャンプーは特に要注意。頭皮トラブルが起こりやすいと言われています。
※界面活性剤が入っているのであれば、以下のの物を選ぶと良いです。
界面活性剤の中でも優しいと言われている成分は、アミノ酸系とベタイン系があります。
成分表示としては下記のとおりです。
・アミノ酸系→ココイル○○/ココアンホ○○/ラウロイル○○
・ベタイン系→○○ベタイン
⑵防腐剤
・パラペン
アレルギーを引き起こしたり発がん性がある。
環境ホルモンの疑いもある。
・BHA
酸化防止剤、発がん性と環境ホルモンの疑いがある。
・BHT
発がん性がある、皮膚炎や過敏症を引き起こす。
⑶合成香料(イソオイゲノール・オイゲノール)
合成着色料(赤色○号、黄色○号)
頭皮環境を悪化させ炎症、抜け毛を引き起こす。
食品ほど細かい規定がない。
⑷鉱物油(パラフィン)
頭皮に付着すると落ちにくい。アレルギー性接触皮膚炎を引き起こしやすい。
▷環境ホルモン
環境ホルモンといわれる化学物質が体内に入ると、正常なホルモンのバランスをくずし、生殖機能に影響したり、免疫力が低下するなど、さまざまな形で健康を妨げる物質
オーガニックシャンプー、コンディショナーの選び方
⑴期待する効果を明確に
オーガニックへケア用品は製品ごとに原料や配合量が違うため、自分がシャンプーやコンディショナーに何の効果を期待しているか明確にする事が大切です。
また、配合されている植物の種類が多いほど良いというわけではありません。なかには、配合成分は多いが特徴がなく、何の効果も期待できないという結果になってしまう物もあるのでご注意を。
⑵成分表の見方
パッケージに記載のある成分表は、成分が多いものから記載することが法律で義務付けられています。オーガニック成分の配合量が多い物を選ぶと良いでしょう。
⑶香り
香りも選ぶ時の大事な基準です。オーガニックヘアケア用品は天然の香りがしますので、ハーブ系やフローラル系などご自身の好みの香りを選ぶとバスタイムがよりリラックス出来るものになりますね。
⑷価格
オーガニックの効果は継続しなければ実感できません。
購入の際、成分を確認するのはもちろんですが、続けられる価格のものを選ぶのもポイントです。
⑸オーガニックコンディショナー
オーガニックコンディショナーはシャンプーと同じメーカーで選ぶのが良いとされていますが、必ずし同じではなくても大丈夫です。
得られたい効果でコンディショナーを選ぶと良いでしょう。
⑹オーガニックヘアケア用品の注意点
オーガニックヘアケア用品はオーガニックだからと言ってリスクがないとは言い切れません。植物に対するアレルギーをお持ちの方は、必ずご自身のアレルゲンをチェックしてから購入するようにしましょう。使用後にかぶれや痒みが出てしまったら、すぐに使用を中止しましょう。メーカーによってはお試しサイズも出ていますので、一度試してから購入を考えてもいいでしょう。
また、防腐剤を最小限に抑えているものも多いため、必ず消費期限内に使い切ることをオススメします。カビが発生しやすい浴室での保管を避けるとより良いでしょう。
3.オススメオーガニックヘアケア商品5選
① haru Kurokamiスカルプ
泡立ちがよく、きしみにくいハリとコシに期待出来る、コンディショナー不要のシャンプー。
②ジェンマ シャンプー&コンディショナー
日本初のCOSMOS ORGANIC認証を受け、成分の97%がオーガニック認証成分。東洋人の髪質を考えたオーガニックの成分を厳選。
③ NEMOHAMO シャンプー&コンディショナー
国産の原料を積極的に使用。植物の素材も製法もこだわり抜いた逸品。
④ハーブガーデン さくらの森シャンプー&コンディショナー
育毛、ダメージヘアにも対応。さっぱり系だが泡立ちもいい、低刺激処方。
⑤ザクロ精炭酸シャンプー&コンディショナー
洗い上がりはさっぱり系だが、髪は滑らかになる特徴がある。抗酸化作用、抗アクネ菌作用が高くスキンケア、エイジングケアを兼ね備えている。
4.オーガニックヘアケア用品との付き合い方
この記事を読んでいる方の中には、既にオーガニックヘアケア用品を使用したこともあるが、髪の毛がきしんだり、上手くまとまららずに使用をやめてしまった方もいるのではないのでしょうか。そんな方のために、上手く付き合う方法もご紹介いたします。
オーガニックシャンプーの洗い方
髪の毛が乾いた状態でブラッシングをしてから、ぬるま湯で髪の毛の汚れをよく洗い流した後にオーガニックシャンプーを使用すると、
きしみが緩やかになります。摩擦で髪の毛が傷んでしまうため、優しく洗いましょう。
髪がまとまらない時は
オーガニックシャンプーを使い始めの頃は、パサついたり、まとまらないという悩みも多く聞きます。そのような場合は、髪の毛を乾かす前にオーガニックのアウトバストリートメントやオイルをつけてみましょう。髪の毛を乾燥から守りまとまりのある髪の毛になります。
5.おわりに
オーガニックヘアケア用品の効果は1日〜3日では実感できません。
髪にしみこんでいる石油系の素材がデトックスできるまで、人によって3〜6ヶ月はかかると言われています。デトックス期間を乗り越えて髪本来の美しさを取り戻しましょう。
<参考文献>
・有機JASマーク
・USDA
http://www.nygreenfashion.com/html/learn/usda.html
・COSMOSORGANIC
http://joca.jp/?page_id=708
<記事担当>
執筆協力:Iida
記事編集:Misaki