縁あって、
スポーツキャスターの仕事を頂けることが決まった時、
発声法や滑舌に関するHow To本を買い漁りましたが
それでも、1番最初に購入した本がコチラでした。
クローズアップ現代キャスターを務めてきた
国谷裕子さんの「キャスターという仕事」
ニュースキャスターとスポーツキャスターは
求められるキャラクターが異なりますが、
・どうアンテナを張って情報収集するのか
・インタビューやゲスト対談で何を意識するか
・どうPDCAを回しているのか
印象的だったのは、高倉健さんへのインタビューの話です。
TVの取材に滅多に応じることのない高倉さんを迎え、
色々と準備して話を伺ったけれど、
端的な返答ばかりでどうも会話が弾まない。
キャスターとして焦るも、
話が途切れても「待つ」ことを決めたそう。
以下、その時の会話を本から一部抜粋しています。
高倉
「休みをとって、世界中どこでも行きたいと思えば行けて、
いいホテルに泊まって、いいレストランで飯食って、
メニューの値段表見なくても飯が食えるように
いつの間にかなってしまった。
飛行機はファーストクラス、
泊まるホテルはスイートって、
なんか自然なようになってますけど....
( 沈黙 )
やっぱりこの仕事やってきて良かったと思える事は、
そういうことではなくて、鳥肌が立つような経験をしたときですね。
あ、よかったなって、自分で。」
国谷
「ホタルの撮影を覚えられたばかりなんですけれど、
これからはどういう作品に出たいと思いますか。」
高倉
「まだ頭のなか、何も考えていないですね。
もう嫌でも封切りの日がきますから、
その日が1番辛くなる日なんですけど、
でもどっかでいい風に吹かれたいというふうに思いますね。」
国谷
「いい風に吹かれたい。」
高倉
「はい。いい風に吹かれていたいですね。
あんまりきつい風に吹かれてると、人に優しくなれないですね。
だからいい風に聞かれるためには、自分が意識して、
いい風が吹きそうなところへ、
自分の身体とか心を持っていかないと。
じっと待ってても吹いてきませんから。
吹いてこないっていうのが、この頃はわかってきましたね。」
このインタビューの中での沈黙、
測ってみたら17秒あったそうです。
インタビュアーにとって、
17秒というのは、とてもとても長い時間。
でも、高倉さんにとって自分の話す言葉を探す
(特に青字にしている部分)
大事な時間だったのではないでしょうか。
待つことは、聞くことにつながる。
逆に沈黙に耐えかねて、次から次へと
質問を繰り出してしまうと、かえって
良い話を聞くチャンスを失ってしまうかもしれない。
インタビュアーとして私も大事にしているところですが、
ヨガインストラクターとしても、
Naturalistaでは、
「沈黙」や「間」を大事にしています。
すると、無意識(90%)から
有意識(10%)に上がってくる
気付きや言葉たちがいるはずだから。
Naturalistaでは、
あくまでヨガを「きっかけ」に
日常を振り返る、生活を考える「場」
をご提供していきたいと思っています。
テンポ良いエクササイズ系のクラスも楽しいですし、
そういったレッスンも時にはやりますけどね ♪